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おわりに

当該事業所では、過去二度にわたり小規模な火災が発生しており、防火意識の希薄さがうかがえる。これらを含め当消防本部では、警防、予防両面から消防計画等防火管理体制の見直しを指導し、再発防止に向け万全を期しているところである。

(梶原 政彦)

 

救急・救助

正面衝突による大型観光バス横転事故

奥能登広域圏事務組合消防本部(石川)

 

はじめに

当消防本部は、石川県の日本海に突き出た能登半島の北端に位置し、二市四町一村で構成されている。地形は東西および北側は海に囲まれ、この海岸線の延長は二〇〇kmにおよんでいる。

西・北側は山地が海岸に迫り、断崖の急傾斜で通称「外浦」とよばれる。一方七尾湾に面する南東側は緩やかな丘陵地が海岸に面し、年中波静かな「内浦」と呼ばれ、これらの海岸部は能登半島国定公園の一部を形成している。また、内陸部は標高五六七mの高洲山を最高とする丘陵地帯である。

交通機関として能登空港が今年から着工の運びとなり、平成一五年春開港を目指し、観光立地圏内として一躍脚光を浴びている。

管内の面積は約一、一三〇km2で石川県全面積の約二七%を占め、人口は九九、五〇一人である。

消防体制は消防本部・二消防署・五分署・二分遣所・職員数一九二人で組織され、各種災害に対処している。

ここに紹介する救急・救助事例は、奥能登観光拠点地で伝統工芸「輪島塗」や「朝市」などで有名である輪島市での小型乗用車と大型観光バスの正面衝突による観光バス横転事故での救急・救助活動事例である。

 

一 事故発生の状況

事故発生場所は、緩いカーブとなっている。小型乗用車がセンターラインをオーバーし、輪島市方面に向かっていた対向車の大型観光バスに正面衝突した。観光バスは横転し、乗用車の運転者が運転席に閉じこめられた。

 

二 事故発生日時等

(一) 発生日時

平成一〇年三月二八日(土)一〇時〇〇分頃

(二) 発生場所

輪島市熊野町 熊野トンネル付近

主要地方道七尾・輪島線

(三) 覚知時間

一〇時〇二分

(四) 現場到着

一〇時一〇分

(五) 救助活動完了

一〇時二六分

(六) 死傷者の状況

死亡 一名(一九歳女性)

重症 一名(二九歳男性)

中等症 三名(七一歳男性・七二歳四六歳女性)

軽傷 三四名(男性一一名・女性二三名)

けが無し 二名(男性一名・女性一名)

合計四一名

 

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三 出動状況

出動車両

指揮隊(本部指令車)一台 三名

救急隊(救急車)四台 一二名

救助隊(救助工作車)一台 三名

支援隊(本部広報車他)五台 一六名

 

 

 

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