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教養誌「ほのお ’98/8号」

 事業名 消防資料の発行
 団体名 全国消防協会 注目度注目度5


核燃料物質の輸送事故対策

消防大学校客員教授 島田 裕久

 

一 はじめに

現代社会における生活レベルの向上は、科学技術の進歩とともに生活に直接または間接的に使用される物資の移動、すなわち輸送のシステムの確立に負うところが大きい。

生活に必要な物資の中には、化学物質やその他種々の危険物質も含まれ、年々、その輸送量は増加の一途をたどっている。危険物には放射性物質も含まれ、国内及び国際間で広く輸送が行われている。放射性物質の輸送量は全輸送量から見るとわずかであるが、全世界において年間一、〇〇〇万個以上が輸送されている。ただし、そのほとんどは微量の放射性物質を含んだものである。

放射性物質は、わが国においては「放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)」と「核燃料物質」(ここではウランやトリウム鉱石等の核原料物質をも含んだものとする)に大別され、規制されている。

RIは植物の品種改良、食物の保存、医学診断及び治療等に広く産業界や学界で利用され、また、ウランやプルトニウムの核燃料物質は、主に発電用あるいは試験・研究用の原子炉の燃料として使用されている。

ここでは、放射性物質のうち、核燃料物質の輸送事故対策について述べることにする。

 

二 安全輸送対策

核燃料輸送において、一般公衆の放射線による被ばくを防止するため安全に輸送を行うことはいうまでもない。輸送の安全性は、輸送物、取扱いを含む輸送方法、輸送ルート及び核物質防護の四つの安全対策が確立されて初めて保証されるといえる。

(一) 輸送物の安全性

輸送物の安全性を保証するための基本的な考え方は次のとおりである。

L型、IP型及びA型輸送物では、輸送中大きな事故に遭遇し、万一収納物の漏洩が生じた場合でも、被ばくが許容レベルを超えないように収納物の量と性状を制限する。これに対し、限られた量以上の核燃料物質を収納するB型輸送物では、輸送容器自体で安全性を保証する。したがって、B型の輸送容器は過酷な事故に遭遇した場合でも十分に耐えられるように、極めて頑丈なものが要求される。

また、核分裂性物質の場合、輸送中のいかなる状態においても臨界にならないということが基本条件であることから、IP型やA型輸送物であっても輸送容器はB型と同様の性能が求められる。

このような基本的考えに基づき、輸送物の安全性を確認するために、わが国では国際原子力機関(IAEA)の「放射性物質安全輸送規則」(一九八五年版)に基づいた技術基準を定め、輸送物の形式に対応した以下の要件及び試験条件を義務付けている。

L型輸送物:一般要件

IP型、A型輸送物:一般要件及び一般の試験条件

B型輸送物:一般要件及び一般の試験条件ならびに特別の試験条件

 

 

 

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