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長泉町消防本部(静岡)

 

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当本部は、静岡県の東部、伊豆半島の基部に位置し、東西を三島市、沼津市、南北を清水町と裾野市に接し、北に霊峰富士を仰ぎ、東に箱根連山を眺め、緑豊かな愛鷹山中から滔々と湧きいでる桃沢川、町のほぼ中央を縦貫する黄瀬川など美しい自然に囲まれている。

東海道新幹線三島駅、東名高速道沼津、裾野インターチェンジ、国道二四六号線、さらに第二東名高速道の計画の中で、インターチェンジ開設が決定されており、主要交通網に恵まれ、豊富な地下水等好立地のため、企業進出が多く、なかでも先端技術やバイオテクノロジーを駆使したハイテク産業も多く、発展する町として今後が期待されている。

管内面積は二四・五三km2、人口約三万五千人で「水と緑と文化のまちづくり」が推進されている。

消防本部の発足は昭和四五年四月一日で、現在一本部・一署・四六人の職員と一団本部・四分団の一一〇人(内女性消防団員七人)で住民の負託に応えるべく消防・防災体制の充実強化を図っている。

 

ゼロゼロ運動

日常的広報として消防団と一緒になって夜間のパトロールを行って、火災ゼロ、事故ゼロをめざしている。広報は町の広報誌に定期的に消防に関連する記事を提供している他、町の電光掲示板三か所を活用し、消防の広報を行っている。

 

災害に備えて防災訓練

昭和五四年八月に静岡県は大規模地震対策強化地域に指定された。当町では消防が地震防災を担当しているので、各種地震防災対策に取り組んでいる。事業としては耐震性防火水槽の設置、自主防災組織への可搬式動力ホンプ配置、防災倉庫及び資機材など年度計画で整備を進めている。また、消防団や自主防災組織の強化を目的とした研修会や講演会、各種防災訓練を推進している。昭和五九年五月以降、被害を最小限に防止するため町内三七(町内会)自主防災会に地域リーダー役の防災委員を委嘱する他、医療救護については医師会並びに登録在宅看護婦の協力を得て対応している。毎年九月一日には全町民の参加を得て、地震予知から発震対応までの総合防災訓練を実施している(写真)。また昭和五六年四月から毎年、突発災害に備えて職員の動員訓練が実施されている。過去の大規模災害等を教訓に、県との情報交換のために通信衛星で対応できるようになっており、さらに消防本部は災害対応のために自家発電設備を備えている。一般家庭においても「わが家の地震防災対策」の小冊子や防災マップを配布するとともに、災害時には災害弱者の拠点としてコミュニティに併設して防災センターを建設した。

また、昨年一二月には東海道五三次に縁のある一九市区町(一都五県)が災害時に協力しあうことを目的に災害協定を締結するなど災害時の体制が着々と整備されている。

 

災害救助犬の育成

自分の飼い犬を災害救助犬めざして訓練をしている職員がいる。地元新聞にも「消防士の愛犬災害救助犬が最難関の第三種認定に合格」と紹介された。万一のときは消防の経験を生かしながら救助活動に活躍して欲しいと期待を寄せている。

 

人の和で

最後に加藤消防長は、「少ない人員で大きな実績をあげるには、人の和、チームワークを大事にするということにつきる。一人ひとりの能力・体力には限界があるのでそれを大勢の和でカバーして住民サービスに生かしていきたい」と語っていた。

(飯塚 文治)

 

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