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□高遊原南消防本部□(熊本)

 

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当本部は上益城(かみましき)郡益城町と阿蘇郡西原村から成る組合消防で、熊本県のほぼ中央北寄りに位置し、西は県庁所在地である熊本市に接しており、熊本平野の一角から東は阿蘇国立公園の外輪山である俵山へと続いている。

管内は、基幹産業である農業を育む豊かな自然環境に恵まれるとともに、熊本空港や熊本テクノポリス構想の核となるテクノリサーチパークをはじめ、東海大学宇宙情報センターや熊本産業展示場などを有し、熊本市の近郊都市として発展を続けており、人口も着実に増加している。

消防本部は、昭和四七年に発足し、数度の組織統廃合等を経て、平成二年四月に現在の高遊原南消防本部が発足、本年四月現在、一本部、一署、四五人の職員が十三分団、一、〇一九人の消防団員とともに、人口約三七、○○○人の防災を担っている。

 

・ 新庁舎完成!

複合機能都市として発展し、先端技術を駆使した大規模建築物の建設をはじめ、益城熊本空港ICの開通、住民の人口増加を視野に入れ、高まる消防需要に対応するため、平成九年に庁舎の新築に着手した。

敷地面積一一、四九〇m2、鉄筋コンクリート造二階建(主訓練塔五階、副訓練塔二階)、延面積二、一四六m2、総工費約六億円の新庁舎が、去る三月二〇日に完成し、四月一日から業務を開始した。

新庁舎は、消防本部と消防署が一体化され、体力練成室や二つの訓練塔など、訓練施設が充実しており、また、自治体衛星通信による画像伝送システムを完備し、準個室的な仮眠室や住民の防災教育等に利用できるコミュニティ広場等を併設した斬新なデザインとなっている。(写真)

 

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開庁に伴い、今年度中には救助工作車II型を導入することが決定しており、さらに、平成一一年度中には高規格救急自動車の導入も検討されている。

 

・ 消防大会で防災行動力の強化と防災意識の向上を図る!

当本部では、発足時から隔年毎に消防大会を開催している。

この大会は、秋の火災予防運動に併せて実施しているもので、危険物安全協会や消防設備設置企業等が一体となって各種訓練をはじめ、屋内消火栓操法大会や管内の小学生による防火ポスター展、習字展などを開催し、楽しみながら自主防災の輪を広げ、防災意識の普及啓発を図っている。

 

・ クラブ結成率一〇〇%!

幼・少年消防クラブ並びに婦人防火クラブの育成に力を注いでおり、特に、幼年消防クラブは管内全ての幼稚園等で結成され、現在一一クラブ、三八二名が加入し、結成率一〇〇%を誇っている。

火災予防運動の防火パレードや防火餅つき大会、規律訓練等、各種行事にも積極的に参加し、防火PRに大きな力を発揮している。

また、平成八年一二月には、二七三名から成る婦人防火クラブが結成され、今後の活躍が期待されている。

 

・ 土砂崩れで避難勧告!

昨年七月に全国各地で発生した集中豪雨による災害は、当管内でも発生し、土砂崩れに伴う土石流災害から地域住民の安全を確保するため、避難勧告を発令した。

危険地域と判断した二一五世帯、七五六名の住民を早期に避難させた決断と消防職・団員などの懸命な活動により、人的被害もなく家屋浸水や農産物等も最小限度の被害にくい止めることができた。

 

・ 地域住民の負託に応えて!

長野消防長は、「新庁舎が完成し、地域住民の消防に寄せる期待も更に大きくなってきているが、"和"を大切に、崇高な使命の達成と信頼され親しまれる消防を目指し、一丸となって努力して行かなければならない」と結ばれた。

(丸山 英年)

 

 

 

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