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心」「火の用心」と合唱しながら防火パレードを行い「二一世紀の防火の担い手」として地域住民に防火を呼びかけている。

少年消防クラブは、学校単位の組織と地区単位の組織により活動しており、一一クラブ一、一五〇人で組織されている。地区単位の少年消防クラブは、少年少女の希望者を対象に編成する自発的な組織で、明朗活発な気風を醸成し、併せて火災予防の普及徹底と防火思想の向上を図り、少年期の健全な育成を目的としている。

活動内容は、毎年夏休み期間中に小・中学生を対象に、花火による火災やケガを防止するため、「花火の正しい遊び方」の指導実演会を実施、また、冬期間の火災多発期の週末には、拍子木を片手に地域を巡回して火の用心を呼びかけている。

これからの活発な活動が認められ、昭和四九年度に消防庁長官表彰、自治体消防五〇周年記念式典においては、日本防火協会長より優良少年消防クラブ表彰を受賞した。

これら幼少年消防クラブ員の育成には、指導者の養成も不可欠であり、毎年宮城県少年・婦人防火委員会が実施する応急救護処置訓練、消火器による初期消火訓練、救助袋及び緩降機による避難訓練、起震車体験訓練等の指導者研修会へ積極的に参加している。

婦人防火クラブは、構成市町において四五九クラブ、三七、〇○○余人の組織があり、連合会の形態で構成し「家庭の防火は主婦の手で」を合言葉に地域の防火に努めている。

春秋火災予防運動時には、消防本部・消防署・消防団と一体となり、全地区への防火広報及び防火チラシの配付を実施している。さらにクラブ員においては、初期消火訓練・救急応急処置講習は勿論のこと、昭和五三年六月一二日に発生した宮城県沖地震を教訓として毎年実施される六・一二総合防災訓練に、災害に対する心構えと行動をしっかりと身に付けるため積極的に参加している。

平成九年十一月には、当消防本部管内の白石市において、大規模災害の発生を想定し、いかに迅速かつ的確に災害対応をするかを検証するため、防災関係機関三二団体が参加して実施した「大規模災害図上演習」にも参加し、災害時における婦人防火クラブ員の対処要領等について意見を述べた。

 

二 防火委員会の活動

幼少年婦人防火委員会の事業の内容は、優良クラブの表彰、一一九番の日記念行事への参加、防火啓蒙ゲートボール大会、防火ポスターコンクールの開催等である。防火啓蒙ゲードボール大会は、高齢化社会をむかえ、災害弱者である高齢者の方々を対象に、第一打の前に「火事と救急は一一九番」ゴールした時に「つけた火はちゃんと消すまであなたの火」(防火標語)と大きな声で読み上げ、火災による焼死者の撲滅と防火啓蒙思想の普及を図っている。

また、管内五五小学校の五年生を対象に春季火災予防運動前に、防火ポスターコンクールを実施しており、優秀作品は百貨店、公民館において展示会を開催し、さらに「児童図画作品集」を作成し、管内全小学校に配付して防火意識の高揚を図っている。

 

おわりに

当消防本部の平成一〇年重点事項は、

一 防火安全対策の推進

二 応急手当普及員の育成

三 創造性への挑戦

の三点で、高齢化、核家族化、そして災害も複雑多様化する中で、消防サイドに寄せる住民の期待は大きいものがある。地域住民とのコミュニケーションを大切にし、「焼けた後の火回り」とならぬよう、職員全員が防災活動と自主防災組織の育成・強化に取り組んでいく所存である。

(太田 稔)

 

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