C1: 送電線と物体間の静電容量
C2: 物質と大地間の静電容量
RM: 人体抵抗
RE: 人体と大地の接触抵抗
R0: 物体の対地絶縁抵抗
E: 送電線の対地電圧
V: 静電誘導電圧
(b) 物体に帯電
b 電磁誘導
電磁誘導が災害に関係するのは、例えば送電中の電線が誘起導体となり、これと接近平行する架空地線、電線、工事用ワイヤ、工事用電話線などの被誘導体に誘導電圧が発生する場合がある。工事中の電磁誘導による災害を防止するには、架空地線・停電回路の接地、機械・工具の接地、工事用電話線の接地などを確実に行うことが必要である。
(二) 電気火災のメカニズムの例
1] 漏電(地絡)
現在の低圧電路の配電方式は、変圧器の低圧側の中性点または一端子を接地(B種接地工事)しているため、電線や電気機械器具の絶縁部分が損傷あるいは老朽して、その絶縁効力が失われると、電流は正規の電気回路以外に、絶縁効力の失われた箇所から大地にも流れる。この現象を漏電といい、大地に流れる電流を漏れ電流あるいは地絡電流という。(図10参照)