(二) 電気使用設備
1] 電気工作物の区分
電気事業法第二条において「電気工作物とは、発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他政令で定めるものを除く)をいう。」と定められている。また、電気事業法第三八条では電気工作物を、事業用電気工作物(電気事業の用に供する電気工作物+自家用電気工作物)と一般用電気工作物に区分している。
電気事業の用に供する電気工作物は、電気の供給事業をしている者の電気設備をいい、自家用電気工作物は工場やビルで高圧以上の電圧で受電する電気設備が多く、一般用電気工作物は家庭や商店などで低圧で受電する電気設備をいう。
2] 家庭の電気設備
電気使用設備としては、自家用電気工作物と一般用電気工作物に大別されるが、ここでは一般用電気工作物である家庭の屋内電気設備について述べる。屋内配線に使われている電線は、絶縁電線かケーブルが多く、絶縁電線を使用する場合には、ケーブルのようにそのまま施設するのではなく、金属管や硬質ビニール管などのような管の中に施設して、電線がいたみにくいようにしている。
屋内配線の多くは単相二線式と単相三線式であり、文字通り電線が二本と三本で供給されていることと、使用電圧が単相二線式では一〇〇Vのみとなり、単相三線式では一〇〇Vと二〇〇Vを使用することができる点が大きな違いといえる。最近では単相三線式が普及してきているが、まだ単相二線式もかなりある。平成八年度末で全国(九電力合計)の単相三線式の割合は五七・五%となっている。(写真1・図6・7参照)