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三 電気設備

(一) 電力供給設備

1] 概要

火力、原子力、水力の各発電所で発電した電気は、発電所→送電線→変電所→配電線→引込線などの電力設備を経て、家庭、工場などに供給している。(図2参照)

 

図-2 電力供給設備

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2] 配電設備

a 身近な配電設備

発電所でつくられた電気は、変電所や送電線を通って家庭、工場などのお客さまに届けているが、最後の変電所から家庭や工場までの電線を配電線という。

配電線には、特別高圧(二二、○○○V)、高圧(六、六〇〇V)、低圧(二〇〇V、一〇〇V)の配電線がある。高圧線の電気は、柱上変圧器で二〇〇Vまたは一〇〇Vに下げられ、低圧線に流される。また、これらの高圧線や低圧線から分かれて、家庭、工場などのお客さまに電気を届けている線を引込線という。これを形態から分類すると、架空配電線と地中配電線になる。架空配電線に使用される電線は、現在ではほとんど絶縁電線である。導体には、銅線およびアルミ線が使用されており、絶縁物の材質により電線の種類としては、高圧線用として屋外用ポリエチレン絶縁電線(OE)や屋外用架橋ポリエチレン絶縁電線(OC)、低圧線用としては屋外用ビニル絶縁電線(OW)などが用いられている。地中配電線には、ケーブルが使用され、現在では高低圧とも架橋ポリエチレンケーブルが主流となっている。なお、低圧ケーブルにはビニル絶縁ケーブル(SV)も使用されている。引込線には、引込用ビニル絶縁電線(DV)やビニル絶縁ケーブル(SV)が使用されている。(図3参照)

 

図-3 身近な配線設備

・ 配電柱のしくみ

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b 地中配電設備

都市の美観や防災上の理由から、配電線の地中化はますます重要な課題となってきている。こうした状況を踏まえ、当社では従来から計画的に地中化を進めている。地中化の主な対象地域は、都市整備が進み電力需要密度が高く安定していること、道路にトランスなどを設置するスペースが確保できることなどの条件を満たす地域としている。

また平成四年度から環境整備や地域活性化を目的とした都市整備事業の一環として、街並整備に合わせて、国や地方自治体がキャブシステムや自治体管路方式を採用し、さらに平成七年度からは電線共同溝(c・c・Box)が採用され、地中化を進めていくことになった。(図4参照)

 

図-4 配電線の地中化

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