そこで図3は、運動能力や体力が、どのように発達するかを示したものである。
この図によると、動作の習得が最も発達するのは、7〜8歳の小学校低学年である。また、ねばり強さは12〜13歳の小学校高学年から中学校にかけてであり、力強さは15〜16歳の中学校から高校にかけてである。
以上のことから小学生のこの時期には、動作の習得のためにいろいろな運動を行わせる。また、体力のなかでも神経系とも関係の深い調整力(敏捷性、平衡性、巧ち性)などのトレーニングを行わせることが大切である。
持久力のトレーニングは小学校高学年頃から徐々に始めた方がよいだろう。ただし心身の疲労を伴うことや、特定の部位を集中して使用するため、指導には特に注意が必要である。
筋力や瞬発力の本格的なトレーニングは、身長の伸びが終わりかけた中学生以降に行うのがよいだろう。
本書で強調している正しいフォームや力の発揮とリラクセーションは、やはり神経系と関係が深く、ぜひこの小学生の時期に指導するべきである。
そして練習は週2〜3回を、続けて行うのではなく、1日以上間隔を空けて行うのが理想である。そして1回の練習は1時間〜1時間半が適切と考えられる。