つまり空手道の学習がどのように流れるかをその特性や単元のねらいに応じて工夫することである。例えば、基本動作・対人的技能・形技能・試合の中でどこに重点を置くかによって学習の流れの焦点が明確にされることになる。またそれらを段階的に行うか、集中的に行うかによってさまざまな学習過程が考えられる。いずれにしても、このように学習の流れの焦点を明確にして、それに応じた学習過程の工夫が必要である。
(5) 学習指導の展開
学習指導を効果的に展開するためには、それぞれの段階でどのような学習活動をさせるかの学習段階をしっかりと押さえなければならない。
学習段階を「はじめ」「なか」「まとめ」の3段階に分け、それぞれについて考えてみる。
まず、「はじめ」の段階では、教師の指導計画を理解させるために、学習活動の進め方や施設用具の準備のしかたを明らかにすることが必要である。また、児童が自分たちの学習計画を持てるように学習集団の構成や役割についての配慮も重要である。
次に、「なか」の段階では、児童の学習活動を主体とし、教師は練習のしかたや要点を良く理解できるように指導すべきである。つまり、教師は児童が効果的に学習活動を進めるための指導助言を中心に行う。そのためには、学習内容と学習活動を具体的におさえておく必要がある。また、児童のさまざまな学習活動に関する教師の対応のしかたなどをあらかじめ予想しておくことも大切である。
「まとめ(整理)」の段階では、「はじめ(導入)」「なか(展開)」の段階で行われてきた学習の成果をどのような活動の方法で確認するかを示し、さらに学習活動の総まとめをすることである。