2 単元計画作成上の留意点
単元計画を作成するということは、空手道の具体的な学習指導の基本計画をどのように展開するかの見通しを立てるということである。すなわち、年間計画の段階で扱われた空手道の単元構成の方針に即した学習指導を展開していくための計画ともいえる。
単元計画の作成上で重要な影響を及ぼす点は、空手道の指導方針や学習内容の構成の考え方である。このような前提に立って、次に空手道の単元計画作成の手順とそこで留意すべき点について例示した。
(1) 単元の目標の明確化
単元の目標はその単元でどのようなねらいを持って指導しようとするのかを明確にすることである。したがって、空手道の単元では、空手道のどのような技能や態度を身につけさせ、どのような練習や試合ができるようになることを目指しているかを明らかにしていくことが大切である。また、どのような望ましい行動の仕方を身につけさせようとしているのかも明らかにする必要がある。
単元の目標は、単に学習の方向性を示すだけでなく、学習を効果的に展開する上でも役立つものでなければならない。したがって、児童の学習のねらいになるとともに、単元の学習を通じて評価の規準にもなるような具体的なものとする必要がある。
(2) 学習内容の具体化
年間計画の作成の段階で考えられた学習内容を単元の目標に即して具体化を進める方法として、「技能」と「態度」をどの程度学習させるかを明らかにする必要がある。まず空手道の技能については、基本動作・対人的技能・形技能・試合などの観点から種類と程度をいっそう具体化する必要がある。
次に、態度については「相手を尊重する」「健康・安全に留意して練習や試合をする」などの抽象的なものを、技能の学習に応じて具体的な行動のしかたやルールとして定めるような工夫を検討しなければならない。
(3) 時間の配分
効果的な空手道の学習を行うためには、単元の構造を明確にし、それに応じた適切な時間を配分することが必要である。空手道における学習の「はじめ(導入)」と「なか(展開)」および「まとめ(整理)」の構造を明らかにし、それらを充実できるような時間的な流れを理解しやすいようにするべきである。
(4) 学習過程の工夫
時間の配分によって単元の学習の構造を明らかにした上で、次に必要となるのが学習過程の工夫である。