3 空手道の楽しさや魅力
児童からみた空手道の楽しさや魅力という観点からその特性に触れる。
これまでの空手道指導においては、どちらかといえば運動の構造的特性や効果的特性に価値の中心をおく考え方のもとに、運動技能の習熟の程度や運動課題の達成の程度、心身の鍛練面などが重視されてきた。しかし、生涯体育・スポーツを志向するこれからの体育の学習指導や地域スポーツ指導においては、児童自身が学習する空手道のどこに楽しさや魅力を感じているかということに着目していく必要があり、この点から指導していくことが重要である。したがって、小学校の体育「空手道」においては、空手道の楽しさや喜びが味わえる授業、魅力のある授業の展開に配慮することが大切である。特に低学年児童の空手指導では指導者自身が「からてあそび」の時間というぐらいの認識を持つことが必要である。
基本動作や対人的技能を身につけ、さらにその技能を使っていろいろな練習や試合ができるようになると一層楽しさや喜びを味わうことができる。空手道の学習指導においては、以上述べたような運動の特性を踏まえ、児童の運動に親しむ態度を培うとともに健康の増進や体力の向上を図るため、効果的な指導を展開していく必要がある。