日本財団 図書館


南関東直下の地震

関東地方には地震が多い。震度1以上の有感地震だけでも年間40個位ある。その多くは茨城県南西部と千葉県北部の地震の巣で起こる。関東直下にプレートが重なってサンドウィッチのようになっているからである。上のパンが東京をのせる陸側のプレート、ハムサンドだとすれば、中のハムが相模トラフから沈み込むフィリッピン海プレート、下のパンが日本海溝から沈み込む太平洋プレートである。茨城県南西部には2列の地震帯があり、西側の方は深さ40から60キロ、東側では深さ70から90キロで地震が起きている。このうち、西側の地震帯は上のパンとハムとの境界にあたり、地震は陸側のプレートとフィリッピン海プレートとの境界で起こる(下図右の2])。茨城県南西部の東側の地震帯と千葉県中部の地震(深さ70から90キロ)は、ハムと下のパンの間で起こる。すなわちフィリッピン海と太平洋プレートの境界の地震である(4])。この他、上のパン、ハム、下のパンそれぞれの内部でも地震が起こるので(1]3]5])、プレートとの位置関係から、関東の下の地震は5種類に分類できる。このようなプレートのサンドウィッチ構造は世界でも他に例はない。日本の首都はこのように特殊なプレート構造の上にある。

安政の江戸地震(M6.9)が、どの種類の地震かはわからない。しかし、上のパンとハムとの間で起こった可能性が最も高いとされている。1923年関東地震は上のパンとハムの間で起きた(左の2])。この部分では、巨大地震は当分起こらないだろう。しかし、これ以外のパンとハムの境界の部分で地震が起こる可能性は無視できない。中央防災会議は南関東にマグニチュード7の直下型地震が発生する切迫性があるとしている。これは、関東直下の地震のマグニチュードが年々大きくなっていることに基づく。東京直下では深さ約40キロにハムがある。

上のパンの中で起こる地震(1])のひとつとして、東京の西の立川断層で起こる地震はM7程度と推定されている。繰り返しの間隔は約5千年で、幸い最後の地震は千数百年前に起こったので、当分は安全だ。一方、東京の山の手を横切る活断層は見つかっていない。ごく稀に(数万年に一度)地震が起こる断層でない限り、その傷痕は残っていて見つかるはずである。下町では河川の堆積作用で、傷痕は隠されている可能性がある。

 

018-1.gif

図6 南関東直下の地震の発生場所を示す模式図

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION