第2分科会では、身近な里山の保全を事例として、松戸市で起きた「関さんの森」の問題を取り上げ、1]どこが問題なのか、2]問題解決のための具体的アクションプランをつくり、3]企業の貢献についてのコメントを通じて、パートナーシップについて考えることにした。
第2分科会会場
B104・B105講義室
配布資料
資料1. 「関さんの森」を永遠に残そう
資料2. 「関さんの森を育む会」会報抜粋
資料3. 関さんの森へようこそ(埼玉県生態系保護協会)
資料4. 関さんの森の都市計画
資料5. 森の変遷と思い出
11:25 開会
司会者挨拶
佐藤素子
開会の挨拶 スタッフとコーディネーター紹介
平田和博
11:30〜12:25 事例発表
1. 「関さんの森」の紹介
説明者 高嶋政数
「関さんの森」の位置(新松戸駅北東、徒歩約5分、市街化地域)、森の概要(面積1.1ヘクタール)と保全活動、関さんの森を育む会をスライドと資料で紹介する。
2. 「関さんの森を育む会」ができるまでの経緯と現状
講演者 関美智子氏
(1)講演者の父が1994年9月急に亡くなり、相続問題が発生。森が市街化地域にあり、相続税が膨大な額であることが分かり苦慮。一方、故人の遺志が森の自然を守ることにあり、これまで「子どもの森」と名付けられ、松戸市に貸与していた。
(2)相続手続期間は8ヵ月。税理士と相談したところ、土地を売れば何とかなるというが、故人の遺志は森をそのまま残すことであった。
(3)松戸市へ寄付しようとしたが、他の例で市は条件付き寄付を受入れないと言われた。
(4)1995年5月、森を完全に残すことを条件に(財)埼玉県生態系保護協会(埼玉県行政とは無関係の団体)が寄付を受入れることになった。この協会は「特定公益増進法人」の認定を得ているので、寄付した相続財産分は課税対象から除外される利点があった。
(5)森の保全活動について、協会の指導と支援により、1996年4月「関さんの森を育む会」を結成。育む会では樹木の枝打ち、剪定、下草刈り、竹薮の手入れ、池の清掃などボランティアが活動を行っている。梅の販売、筍刈りなどのイベントで資金を捻出している。定期的に観察会を催し、PRのため会報を毎月発行している。