12:48 講演(ダイオキシンの健康におよぼす影響)
スライドをふんだんにつかわれ、健康リスクアセスメント法によるダイオキシンの毒性について詳細に話ていただいた。紙面の都合上止むを得ず後記のように要約したが質問がある方はいつでも下記に問い合せをおこなえば回答いただけるとのご好意も示されました。
FAX:0298-50-2574
住所〒305-0053つくば市小野川町16-2
国立環境研究所環境健康部長 遠山千春殿(必ずFAXか手紙で)
<講演要約>
ヒトの健康に好ましくない影響が生ずる確率を解析し判定することを健康リスクアセスメント(以下RAと略す)というが物質の有毒性の確認には曝露量(被曝は放射能にのみ使う)とその量への反応ならびに環境リスク以外の要因の分析から図1のようにリスクの判定が行政によりおこなわれ、施策に反映されることになる。
大気、水、土壌、食べ物などメカニズムの研究も大切でリスクの判定は容易ではない。
一方で1979年以降、子宮内膜症の患者が急増したり、男性の精子の数が半減しているなど統計的な数値に明確に変化が生じてきていることも事実である。
それでは、ダイオキシンの一般環境中への曝露によって健康障害が発生するのかというところに話を進めると未だ可能性であり正確な報告はないが次のようなことが指摘されている。
1]発癌性
2]先天性奇形異常、性比、精子形成能、子宮内膜症等の生殖・発生毒性
3]免疫機能、中枢神経、アトピー、サイトカイン、甲状腺ホルモン、知能への影響
イタリアのミラノ市近くのセベソの町の化学工場の事故で一般に男子105女子100の出生比率が逆転し女子と男子の比が6:4となった事例や、RAに関する文献は4500もあり、国際ガン研究所は2・3・7・8-四塩化ダイオキシンの発癌性をみとめている。
これらのダイオキシンには、3つの仲間があり、ダイオキシン類として75、カネミ油症事件のジベンゾフランは135、ビフェニルに209もの異性体があり、コプラナPCBというビフェニルは極めてダイオキシンに近いものであるが全て化学合成(特に農薬製造)時の不純物として、あるいはゴミの焼却処理時に付随的に発生するものでもともと自然界に存在しない物質である。