結果と考察
1. 調査地Bでみられた植物
本調査地では、キツネノマゴJusticia procumbenns(キツネノマゴ科)、ボントクタデPolygonum pubescens(タデ科)、クサネムAeschynomene indica(マメ科)、ノチドメHydrocotyle maritima(セリ科)、セリ、ミズオオバヨOttelia japonica(トチカガミ科)、スズメノヒエPaspalum thunbergii(イネ科)タイヌビエ Ecninochloa crusgalli(イネ科)、ミゾソバなどが自生していた。調査地Aとの共通種は少なく、セリ、ミゾソバ、コナギなどであった。
2. 確認された水生昆虫の種数
本調査地ではカゲロウ目、トンボ目、カワゲラ目、カメムシ目、ヘビトンボ目、コウチュウ目、ハエ目、トビケラ目の8目に属する26科63種の水生昆虫が確認された。全調査期間を通じての優占種は、多い順にコミズムシ、マツモムシ、ヒメアメンボ、フタバカゲロウの一種であった。また、これらの優占4種で全種の総のべ個体数の約63%を占めた(表4)。目の構成および優占4種の種構成は調査地Aと同じであり、この4種で全個体数の約6割を占めたことも同じであった。これらの種は多くの大阪府の北部中山間地域における止水的環境において優占する種であると考えられる。
3. 調査地Aと調査地Bの比較
調査地Aでのみ見られた種はフタスジモンカゲロウ、シマアメンボ、オオミズスマシ、マルバネトビケラ、ヨツメトビケラの5種で調査地Bでのみ見られた種はアジアイトトンボIschnura asiatica、ギンヤンマA.parthenope、ノシメトンボS.infuscatum、リスアカネS.risi、オナガサナエOnychogomphus viridicostus、モノサシトンボCopera annulata、グンバイトンボPlatycnemis foliacea、タガメLethocerus deyrollei、ケシゲンゴロウHyphudrus japonicus、タマガムシAmphilus mater、コガシラミズムシPeltodytes intermedius、ユスリカsp.1 Chironomidae sp.1、ユスリカsp.2 Chironomidae sp.2、エグリトビケラNemotaulius admorsusの14種であった。