28) コミズムシSigara substriata
1年目の8月下旬に成虫が侵入し、11月中旬まで確認された。その後、2年目の3月から調査終了時までため池内で常に確認された。特に、2年目の5月中旬からは幼虫も確認され成虫幼虫ともに高い密度で推移した。成虫の飛来によって、ため池に侵入したものと思われる。幼虫の発生パターンから1年2〜3化しているものと考えられる。
29) マツモムシ
イスラエルの砂漠の中にあるオアシスに生息するマツモムシの一種
N.maculataでは、水を求めて飛翔移動し、人工的に造った水たまりにも飛来したことが知られている(Blaustein,1995)が、本種は、ため池造成前からホ調査地にあった水たまりなどに生息しており、造成直後から確認された。
成虫は1年目のため池造成時から高い密度で推移したが、12月上旬から減少した。2年目の1月中旬〜2月上旬に見られない時期があったが、3月中旬から再び増加し、その後は調査終了時まで高い密度で推移した。幼虫は1年目の調査開始時から9月上旬、2年目の5月上旬〜9月中旬、3年目の4月下旬〜8月下旬に高い密度で推移した。
30) コマツモムシAnisops ogasawarensis
2年目の9月中旬に成虫の侵入が確認され、3年目の8月上旬からは幼虫も確認され、高い密度で推移した。成虫の飛来によって、ため池に侵入したものと思われる。本種はマツモムシより遅れて繁殖を始めるようである。
31) マルミズムシParapleajaponica
成虫は2年目の7月中旬〜9月中旬にのべ4個体、3年目の8月中旬に1個体、幼虫は3年目の6月中旬に1個体確認された。成虫の飛来によって、ため池に侵入したものと思われる。1個体ではあるが、幼虫が確認されたことから、本種は今後、個体数を増加させていく可能性をもつ種であると考えられる。
32) センブリの一種Sialis sp.
2年目の2月下旬〜4月中旬、7月下旬〜11月上旬、3年目の6月下旬〜10月上旬に確認された。成虫がこのため池に飛来して産卵した結果発生したものと思われる。