20)アメンボG.paludum
2年目の3月中旬〜4月中旬にのべ4個体成虫のみが確認された。成虫の飛来によって、ため池に侵入したものと思われる。本種は開けた河川や池で群れて生息し(吉富,1997)、また広くさまざまな水面を利用する(原田,1996;立川,1996)。本調査地で確認されたのは移動分散の途中の一時的生息地としてこのため池を利用した個体であった考えられる。
21) オオアメンボG.elongatus
2年目の4月下旬に2個体成虫のみが確認された。成虫の飛来によって、ため池に侵入したものと思われる。本種は広い水面のある河川や池を生息地とする(原田,1996;立川,1996)。本調査地で確認されたのはアメンボと同じく、移動分散の途中の一時的生息地として利用した個体であった考えられる。
22) シマアメンボMetrocoris histro
2年目の8月中旬〜10月上旬に成虫のへ4個体、幼虫1個体が確認された。本種は山間・山麓帯の流水面を生息地とする(吉富,1997;立川,1996;安松ら,1965)。本調査地でも水源となる渓流には多数確認された。また本種は飛翔能力を持たないことから、ため池内で確認された個体は水源から流れてきたものと考えられる。
23) イトアメンボHydrometra albolineata
成虫は2年目も3年目4月下旬〜5月下旬、6月下旬〜10月下旬の期間に低い密度で推移した。幼虫は7月下旬から9月中旬までに数個体確認されたが、3年目には確認されなかった。成虫の飛来によって、ため池に侵入したものと思われる。
24) タイコウチLaccotrephes japonensis
1年目には8月上旬に幼虫が1個体、10月中旬〜11月上旬に成虫がのべ3個体確認されたのみであったが、2年目は成虫が6月上旬〜7月上旬、8月下旬〜11月上旬に、幼虫は7月上旬〜9月上旬に確認された。3年目は成虫が4月中旬〜7月上旬、8月中旬〜調査終了時まで、幼虫は6月上旬〜8月下旬まで確認された。成虫の飛来によって、ため池に侵入したものと思われる。また本種の密度の推移は年を追って、高くなる傾向が認められた。