日本財団 図書館


結果と考察

 

1. 調査地の環境変化

ため池内には、キカシグサRotala Indica(ミソハギ科)、ヒメミソハギAmmannia multiflora(ミソハギ科)、コナギMonochoria vaginalis(ミズアオイ科)、ヒメホタルイScirpus lineolatus(カヤツリグサ科)、ウキクサSpirodela polyrhiza(ウキクサ科)、イJuncus effusus(イグサ科)、アオミドロSpirogyra arcla(ホシミドロ科)、ミゾソバpersicaria thunbergii(タデ科)チゴザサ/sachne globosa(イネ科)、コシロネLycopus ramosissimus(シソ科)、チドメグサHydrocotyle sibthorpiodes(セリ科)などが自生していた。なお、10枚の棚田のうち、上から2〜7枚目は1996年10月までは水田として利用されていたが、それ以降は休耕田となり、草地となった。2年目以降コナギが見られなくなった以外は、調査期間を通して植物の種構成に大きな変化は見られなかったが、被覆率は2年目に高くなり、3年目には減少する傾向が認められた。また、渓流から運ばれた土砂により、水の流入域は水深が浅くなっていった。

ため池内に4つのポイントを設け1996年7月24日の6時30分〜20時まで測定した照度の結果を図3に示した。

 

2. 調査地で確認された両生類および魚類

本説査地で確認された両生類はイモリCynops pyrthogaster、ニホンアマガエルHyla japonica、シュレーゲルアオガエルRhacocophorus schlegelii、モリアオガエルRhacocophorus arboreus、トノサマガエルRana nigromaculata、ツチガエルRana rugosaであった。これらの種は調査開始初期から見られ、調査終了時まで同じ種構成で確認された。両生類の1年目の6〜11月の時間的推移を図4に示した。魚類については1年目の秋からアブラハヤPhoxinus lagowskii、2年目の秋からドジョウMisgurnus anguillicaudatusがため池内で確認されるようになった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION