【参考資料I】
《WHOの障害構造論》
従来のWHOの国際障害分類は「病気の諸帰結」を機能障害、能力障害、社会的不利の3つに区分した(図1)。1996年より、障害者団体から、以前のは医学モデルの延長である障害発生の社会側面を無視している。「障害という実態」のみ捉え、非障害者と差別している-という批判があった。より人間として障害者を捉えることを、即ち、障害の発生する背景因子、環境(家族、知人、地域社会、物理的環境など)と個人(年齢、性別、個人的資産や特徴など)を重視し、それらの因子が機能障害や社会参加にどのように影響しているかを見ていくことが大切であるとした(図2)。
図1;
疾病 Disease→機能障害 Impairments→能力障害 Disabirities→社会的不利 Handicaps
図2;
【参考資料II】
ニルジェ(スエーデン)はノーマライゼーションの考えを1980年に6つに統合的に分類した。
[1] 物理的統合:地域の住宅地にあるグループホームでの生活、市民と同じリズムを経験する生活。
[2] 機能的統合:物理的統合を拡大したもの。例えば、レストラン、プール、交通手段などが市民と同じように利用できる。
[3] 社会的統合:地域の隣人、学校、職場などの個人的、相互的関係あるいは一般社会的関係、尊敬、評価などがある。
[4] 個人的統合:個人が生活していく上で起こるニーズがもっとも影響を持つ人と相互関係の中で発展し、変化していくこと。
[5] 社会システム的統合:市民としての法的権利。成長、成熟への機会。自己決定を通して自己実現を持てること。
[6] 機構的統合:行政機構やサービスの形態に関与できること。
【参考資料III】
B.ニーリエはノーマライゼーションの原理を生活過程におけるリズムという局面から把握している。
[1] 一日のノーマルなリズム→朝起きて顔を洗ってというようなこと
[2] 一週問のノーマルなリズム→月曜から金曜までは仕事で、土・日は休みというようなこと