精神保健及び精神障害者福祉に関する法律等の改正案の概要
1. 趣旨
神障害者の人権に配意しつつその適正な医療及び保護を確保し、精神障害者の社会復帰の一層の推進を図るため、精神保健指定医の職務を適正なものとし、精神医療審査会の機能を強化するとともに、緊急に入院が必要となる精神障害者の移送に関する制度を整備するほか、在宅の精神障害者に対する福祉事業を市町村を中心として推進する体制を整備する等の措置を講ずる。
2. 改正内容
(1) 精神障害者の人権に配慮した医療の確保
1] 精神医療審査会の機能強化
・ 精神医療審査会の事務を、専門性を有する精神保険福祉センターに行わせることができることとする。
・ 精神医療審査会の委員数の制限(5名-15名)を廃止。
・ 精神医療審査会の調査権限として、従来の関係者からの意見聴取に加え、帳簿書類の提出命令等を追加。
2] 精神保健指定医の役割等の強化
・ 現行の指定取消処分に加え、中間的処分として、職務の一時停止処分を追加。
・ 指定取消等の事由に該当すると認められる指定医につき、都道府県知事から処分権者たる厚生大臣への通報に関する規定を創設。
・ 精神保健指定医の診療録記載義務として、医療保護入院を必要とするかどうかの判定を行った場合等を追加。
・ 患者の処遇が不当と認めた指定医の、精神病院管理者への報告義務を創設。
3] 医療保護入院等に関する事項
・ 医療保護入院等の対象者が、精神障害により入院の必要性が理解できないと判定された者であることを法文に明記。
・ 仮入院制度を廃止。
4] 精神病院に対する指導監督の強化
・ 現行の退院命令等に加え、改善計画の提出命令、入院停止命令等の処分を追加。