膨大な人口の食糧需要を満たすためには、中国の農業は長期的に生産量の最大化を追求するほかにない。しかし、生産量の増加につれ、収穫逓減法則が働き、農業、特に食糧生産の物質消耗率は直線的に上昇し、1984年は30%、1992年は35.6%、1993年は42.5%に達している。これは、農業生産の限界費用の急激な上昇をもたらすようになる。現在、中国国内の食糧価格は国際市場の価格と同じ水準にあり、食糧価格の継続的な上昇は中国が途上国として先進国のみが実施可能な農業保護政策を実施することを意味し、資源の工業部門から農業部門への回流をもたらし、工業化の進展を阻害する恐れがある。
現在中国の人口増加率は多くの国に比べ高いとは言えない。しかしながら、このような食糧生産の制約のもとで、引き続き計画生育政策を実施し、人口増加を抑制させ、人口のゼロ成長を目指していくべきである。これは、中国の将来の発展に関わるだけでなく、世界人口の将来の局面にも直接関わることであり、また世界の資源環境と社会経済の協調発展にも関わり、人類が持続可能な発展軌道に乗れるか否かにも関わる。
参考文献:
第四次人口センサス結果
全国農業企画委員会《中国農業資源と企画要覧》1987年6月
陳俊生「中国農業の若干問題」中国青年出版社、1992年2月
胡煥庸「人口発展と生存環境」華東師範大学出版社、1992年12月
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李鵬「国民経済と社会発展第九回五ケ年計画及び2010年遠景目標綱要に関する報告」《光明日報》、1996年3月19日
「中華人民共和国国民経済と社会発展第九回五ケ年計画及び2010年遠景目標綱要」《光明日報》、1996年3月20日
李岳云「誰が中国を養うかの論争及び啓発」『農業経済問題』1996年10月
郭志剛「新情勢下での中国人口発展への思考」『人口と経済』1997年2月