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21世紀に、中国の農業発展を妨げているのは主として水の問題である。この問題に直面して、21世紀に向かう中国の農業政策は以下のことが強調されている。一つ目は、水利建設を強化することである。河川、湖の治水工事を行ない、重点的に世紀に跨る、総合効果のある大中型水利プロジェクトを建設する。例えば、長江三峡プロジェクト、黄河小浪底プロジェクト、四川二灘プロジェクトなどを建設して、洪水、干ばつへの対応能力を向上させることである。そうすれば、21世紀には農業生産に必要な自然災害への抵抗能力と農業用水不足の克服の能力が大きく増強されることになる。二つ目は、農地の水利を重点とする農業基礎施設を建設し、灌漑面積を拡大させていく。灌漑措置を取りいれ、生産条件を改善し、農業生産水準の大幅な向上を図る。三つ目は、節水灌漑技術を大いに普及させることである。全国の農業用水4500億立方メートルで計算すると、水の有効利用率が10%上昇すれば、一年に450億立方メートルの水を増加したことになり、これは数十個所または百個所以上の大型ダムの建設に相当する。

これらの措置の取り入れは、中国の農業発展と食糧増産の確保に有利であり、また水資源不足問題をも緩和できる。

 

3. 人口増加と食糧生産

 

人口数量の大きいのは中国の最も基本的な国情であり、人口問題はずっと中国近代化過程におけるキーポイントとなる問題である。中国の第四次人口センサスによると、1990年大陸の総人口は11億3368万に達している。1995年中国人口はすでに12億に達し、世界人口の21.4%を占めるに至っている。

 

 

 

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