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1970年代初めに人口政策が実施され、10年余りの努力を経て計画生育が既婚夫婦の義務として憲法に明示されるに至り、中国の人口政策はほぼゆるぎないものとなった。1980年から「子供一人の出産を極力に提唱し、二人の出産を厳格に抑制し、多子を禁じる」方針が打ち出されたが、「二人目の子供の出産」については、各省、市レベルで具体的な規定がなされており、地域によって若干異なるところもある。中国で実施している人口政策は「一人っ子政策」であるといわれるが、厳密に言うと「一人っ子奨励政策」なのである。

計画生育管理ネットワークの中で、中国の人口政策は強力かつ効果的に遂行され、成功裡に人口抑制を行なってきている。しかしながら、近年における社会経済の著しい変化、とりわけ官民一体となって取り組んでいる市場経済化にともなって、新しい複雑な局面が現れており、計画生育管理も多くの新たな課題に直面している。

基本国策としての中国の計画生育の位置付けは今も変りが無い。今後市場経済化が進むにつれて、現行の人口抑制政策を次第に広義の社会政策に組み込み、人口政策をソフトランディングさせていくのには長い時間が必要であろう。

 

2. 人口高齢化

 

建国以来の約二十年間、中国ではずっと高い出生率が続いて来たが、1970年代から出産抑制が行なわれ、また70年代終わりから80年代初めにかけて、さらに国策としての「一人っ子政策」が推し進められてきた。その結果、出生率は急速かつ持続的に低下してきた。出生率の持続的な低下は、人口転換をもたらし、その過程はまた人口の年齢構造の変動をも引き起こし、人口は高齢化へと向かっていくようになった。中国の人口高齢化は全体的にはまだ低い水準にあるが、局部的にはだいぶ進んでいる地域もあり、将来の高齢化対策及び地域の社会政策等は新たな課題に直面するようになる。中国の人口高齢化は、経済がまだそれほど発達していなく、一人当たり所得がまだ低い段階で、社会保障制度が不備な状況下で高齢化が進むということに大きな特徴があると言える。

 

 

 

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