インドまた然り。中国とはあらゆる点において著しい差異、特徴をもちながら、新しい発展への道を順調に登り始めている。出生力コントロールに先端をきったインドもいくたの困難な政治的、社会的制約のため、出生力低下は中国に比較し著しくおくれてはいるものの、ようやく加速的展開の段階にはいっている。それを支援するかのように、近代的工業化が始動し始めている。
本研究では以上のような観点を考慮に入れ、開発・成長の抑制からの脱出の可能性について、アジア、そして中国・インドを焦点として分析したものである。日本の今後の役割、貢献についても示唆するところがあれば幸いである。
終わりに、本書作成事業にあたり、多大なご支援をいただいた日本財団(曽野綾子会長)並びに国連人口基金(ナフィス・サディック事務局長)に深く感謝申し上げる。
平成11年3月
(財)アジア人口・開発協会
理事長 中山太郎