19 養子縁組制度と里親制度との分離
養子縁組制度と里親制度とを分離することに関しては、意見が分かれた。すなわち、「分離すべき」が41.2%、「その必要はない」が35.0%であり、「わからない」が21.2%であった。
「分離すべき」の理由としては、「養育里親の位置付けの明確化と普及」,「『自分の子が欲しい』との動機に対して委託費の形で公的保障するのはなじまない」、「両者は目的、主旨が異なる」「支援が行いやすい」、「両者が混同されている」などが挙げられていた。
一方、「その必要はない」の理由としては、「相互に関係している」、「必ずしも区別できない」、「委託時点で明確に分離できない」、「養育里親から養子縁組に移行する場合もある」、「養育里親として学びながら養子縁組に備える」「養育里親は少ない」、「現状で支障がない」などが挙げられていた。
全体として、「分離すべき」とする意見には、養育里親振興を願う意向がみられ、「その必要はない」とする意見には、里親の意向の移り変りへの対応など両制度が重なり合っていることのメリットを重視する意向が感じられる結果であった。