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あるいは老後の面倒をみる、相続税対策などの目的が主なものであり大半が成年養子という現状です。未成年者を養子とする場合も、家庭裁判所の許可を要しない、親の再婚に伴う実親の配偶者との縁組、すなわち「連れ子養子」等が多いと推察されます。

家庭裁判所が関与する養子縁組の件数は、平成5年で未成年者普通養子縁組認容件数が、1146件、特別養子縁組認容件数が460件にすぎず、両者をあわせても養子縁組件数の約2%です。平成6年の特別養子縁組認容件数は452件(24)でした。

(2) 特別養子縁組の要件をめぐって

特別養子縁組は、民法817条の3から同条の8までに定める要件をそなえていなければならないが、とくに問題となるのは817条の7の「特別養子縁組成立の判断基準」と817条の6の「父母の同意」を巡るものとなっています。817条の7は、「特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当である子とその他特別の事情がある場合において、これを成立させるものとする。」としており、成立要件の解釈が裁判官の裁量に大幅にゆだねられているといわれます。父母による養子となる者の監護が著しく困難な場合とは、「父母の精神的または身体的故障により子の健全な生育を図るための養育が不可能であるかまたはこれに近い状態にあること」とされ1]父母の死亡、所在不明、長期服役等の場合、2]貧困・多子家庭、3]未婚の母等があげられています。

 

 

 

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