ほとんどの友達が理解してくれて、二度と「おばあちゃんね」と聞く子は居なくなったようです。年令的には孫とばあちゃん程の差がありますが、子供にとりましては身近で、面倒見てくれる人が親なんです。真由美にとっては誰れが何んと言おうとも「お母さん」なんです。
我が家では夕食時が一日の反省と明日の予定を話し合っています。ある夜「真由美、本当のお母さんに会いたいとは思わないか」と言いますと、「前に一寸はどんな顔の人間か一目見たいと思ったけどもう良い。お父さんとお母さんが居るから」と、又お姉ちゃん達がみんな遠くに出てるから、私ぐらいはこの家から通える所に就職しないと、お母さん達が淋しかろうもん。と言ってくれ私共にとりましては、心強くこの上もない喜びを感じています。このようにして、自分の境遇を隠さない素直な心を「一つの宝石」としてかざれる人間に育って欲しいと思います。
「家庭は子供の健全な心身の発達を保障する大切な場」と言われていますが、親の無責任さから家庭をなくし、投げ出される子供達は少なくありません。この子等は人としてのあり方さえもなくしてしまいつつあります。