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函しました。「お父さん、お母さん、結婚を許してくれてありがとう。今頃はたぶん子供も二人位いて、元気に福井で暮らしていると思います。」という内容であったことを思い出します。その時の私には、現在の私たちの置かれている状況など想像もつきませんでした。10年にも及ぶ不妊治療にようやく見切りをつけて、養子縁組を待つ身になるなんて・・・。

養子を貰おうと決心するまでには、二人でかなり悩み、何度も何度も話し合いました。両親や親戚からは「今の時代、自分がおなかを痛めて生んだ子でさえ親の思うようにはなかなか育ってくれないし、何を好き好んで他人の子を育てようなどと思うのか?あなた達には子育ての大変さが分かっていない」と言われました。「二人でのんびり生きていけばいいではないか」とも。

実は私たちは既に一度、養子縁組の話を受けたことがあります。二年前の夏のことでした。それまで子供に接するといえば、せいぜい甥と姪くらいだったのですが、不安を胸に恐る恐る会いに行った最初の日からその子は私たちにうち解けてくれました。翌日から、部屋へ入ってゆけばすぐに駆け寄り、帰ろうとすれば泣いて暴れて大変だったことが昨日のことのようです。

 

 

 

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