9. 障害児の状況によっては、心身障害児通園事業等の利用も必要となるので、いわゆる二重措置を容認すべきである。
10. 複数里子については、現実に実践している例があり、とくに横堀ホーム(児童だけでなく、成人精神薄弱者も受け入れて、徹底した生活指導によって、社会適応能力を高めることを意図したファミリー・グループホーム)では、10名程度の障害児や問題児を受け入れており、その効果は顕著である。また、単数の障害児を現在養育している里親にも、条件が整えば、複数里子養育に肯定的意見もある。
養育効果の面からも、一定の規模・基準を設けて、複数里子の養育(ファミリー・グループホーム)を促進することを早急に検討する必要があると思われるが、当面、特例的に横堀ホームのようなファミリー・グループホームを公で認知して、運営費の助成を考えることは有効な方策と思われる。(適格性については当面知事の個別認定とすることも考えられよう。)
なお、複数の里子を養育する場合には、障害児だけでなく健常児も一緒の方が、やり易く、かつ、効果があるという意見が強い。
11. 近隣、地域社会、学校との関係では、どのケースも里親が積極的に働いているので、うまく行っている。そしてこのことが多くの面で良い結果をもたらしているように見える。
12. 障害児里親を広めて行くための方策としては、今まで触れた経済的援助、児童相談所の支援体制の強化等のほか、実例のPRが有効である。