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2005年戦略プロジェクト

 

『さあ、言おう』昨年9月号の「巻頭言」および「活動日記」でもご紹介した、介護保険発足5年後の2005年を目標時期としたふれあい組織づくり全国展開。その戦略を構築するプロジェクトを「2005年戦略プロジェクト」と命名し、具体的方策を試行するために「草の根推進プロジェクト」「自治体プロジェクト」「地域協同推進プロジェクト」と専門ブロジェクトチームを3つ設け、現在多角的に働きかけを行っています。

ここでは、各担当者が登場。それぞれのプロジェクトの一端をご紹介します。

 

草の根推進プロジェクト

「ふれあい組織づくり推進大綱」に取り組んで

昨年2月5日、芝マイプラザにおいて開催されたインストラクター研修の冒頭で、堀田理事長から2005年までに『ボランティア団体5000団体の実現と、担い手1200万人の参加を達成させよう』との「ふれあい組織づくり推進大綱」が提示され、私ども全国32名のインストラクターが中心になって活動すべく、そしてこの大綱の推進役として不肖、私がボランティアスタッフとして任命を受けることになった。

公的介護保険制度が2000年4月にスタートすることで行政も私たち在宅福祉サービスに携わる者たちも現在その準備におおわらわの中で、これからこの大綱を推進していく必要性とそのタイミングを痛感した次第である。救貧政策から引き継がれてきた長い間の措置制度の時代から、公的介護保険制度の導入により要介護高齢者が「自己決定」のできるシステムに大転換されようとしている状況下において、私たちの市民活動もますますその必要性が問われてくることになると思う。

介護保険制度がスタートしても、介護だけで高齢者のすべてが心満たされるわけでは決してない。人間としての尊厳を保ちながら生きていくうえにおいて、どうしても「心」や「ふれあい」の部分が必要不可欠である。

つまり「介護保険制度の運営」と「ふれあいボランティア活動」は車の両輪であり、それがうまく連動することによってやすらぎとうるおいのある老後を輝いて送ることができるわけで、全国の市町村すべてに少なくとも一つはふれあいの団体を起ち上げようと取り組んでいる。(米山 孝平)

 

自治体プロジェクト

ふれあい社会づくりをめざし、白治体とのパイプ役に

社会参加システム推進活動の中で、ふれあい社会の創出のため、自治体の高齢福祉課と県民課・市民課等に働きかけてきました。公的介護保険とふれあいボランティア活動は車の両輪との認識をもって、ふれあい社会づくりを自治体に働きかけています。この自治体プロジェクトでは、組織づくり、インストラクター活動、社協・農協・生協との地域協同など他事業とも密接に連携した戦略を展開していかなければなりません。自治体プロジェクトの主な役割は、1]自治体に対する公的介護保険とふれあいボランティア活動との連携の啓発2]インストラクターの方々と組織づくりのスタッフが自治体と交渉・連携していくための窓口やルートの開拓などの後方支援です。

昨年11月9日から12日にかけて訪れた九州地区の活動事例を紹介します。

<市長、町長、自治体職員、農協との協同>

11月9日佐賀市西村市長、飯盛介護保険準備室長(広域連合の推進者)は、公的介護保険とふれあいボランティア活動が車の両輪であることに理解を示されると共に、室長より一日研修会(地域のボランティア活動に関心のある方への啓発)の早期実施を求められました。9日西有田町では、藤町長、社協、ボランティアグループ「西有田町ふれあいサービス」に加え、農協も参加したプロジェクト展開に参加しました。JA(農協)婦入部から積極的協力の申し入れがありました。9日JA佐賀県連(農業協同組合連合会)を訪問し、介護保険の枠内のサービスと助け合いの活動の県内での展開について意見交換を行いました。なお、「中原ふれあいの会」平野代表に同行いただき県内各地を訪問しました。10日熊本県、花日宮崎県では、昨年10月に当財団が開催した自治体研修会に参加した職員の呼びかけにより高齢者対策課、介護保険準備室、地域福祉担当課、農政部、社協が集まり中身のある会議が開かれ、一日研修会は歓迎されました。

 

<インストラクターとの連携>

10日インストラクター九州・沖縄地域取りまとめ役の石井和枝さんと計画、進め方、担当、負担のかかり方等問題点を打ち合わせしました。11日鹿児島県では、谷吉、斉藤インストラクターと共に、県、市、社協を訪問しました。12日大分県では、堀インストラクター、川原地域推進委員と県に啓発と協力を依頼しました。一日研修会は前向きに受け止められています。

介護保険法・NPO法(特定非営利活動促進法)の施行に合わせ、自治体、社協、農協の市民団体、NPOに対する考え方も徐々に変わりつつあります。市民団体も足腰を鍛えつつ、一日研修会を通じて、市民団体の活動を知らしめると共に、多くの市民にも参加してもらいたいと思います。(和久井 良一)

 

 

 

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