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事業の継続性については、時代がそうさせるのか、人が替わっても実質的に継続されることが多くなってきた。前任者と異なる新機軸を打ち出したい、大いに結構、されど、前任者の知恵を利用しない手はない後任者の器量がためされる時だ。

翻って、財団の理念=「新しいふれあい社会の創造」とどう結び付くのか。結論を急ごう。21世紀は超高齢社会、4人に1入が高齢者となる2015年頃には今、活動しているJCメンバーは50歳代半ば、地域を背負うリーダーになっているだろう。彼らの活動拠点は地域社会、職業もバラエティーに富む。こんな彼らに今から財団の理念を理解・実践してもらうべく、働きかけている次第。すでにいくつかの素晴らしい取り組み例が出ている。天童JCの「さわやか天童」とのかかわり、大垣JCの青少年向けキャンプ運営NPOの創設決定、武蔵野JCの在宅市民団体の起ち上げ、浦安JCの地域老人クラブとの交流活動、多治見JCの地域コーディネーター活動、豊川JCや鳥羽JCの取り組み等々、財団の理念がJCの活動を通じ、地域に浸透しつつある。今後、この流れがさらに大きなうねりになっていくことが期待される。(蒲田 尚史)

 

ふれあい社会づくりグループ

 

「ふれあいボランティアシール」パイロットモデル事業順調に実作業へ

平成9年度に実施した「ふれあいシール研究会」の課題を受けて、実際に、シールを使って運用する「ふれあいボランティアシール」パイロット事業が昨年8月から始まっていますが、"にこにこマーク型"や"ハートにVサイン型"などの3種類のシールと台帳も完成して、いよいよ、各団体が活動内容を台帳に記載したり、シールを貼る作業に入りました。このパイロットモデル事業は、助け合いのボランティア活動をしている人々とボランタリー団体を応援することを目的としたものです。また、この運用実験を行っているのは、「せんだんの杜・市民ボランティア活動応援センター」、「老人給食協力会ふきのとう」、「ニッポン・アクティブライフ・クラブ」、「コミュニティ・サポートセンター神戸」、「中津市ボランティア連絡協議会」の5団体で、参加者は2000人〜2500人程度を予定しています。

では、このシールと台帳をどう使うのでしょうか。

まず、台帳はボランティア1人に1冊ずつ配ります。そして、ボランティア活動をした人は、日付や時間、内容などを台帳に記入し、運用団体が決めた基準(時間、回数、食数)によって、その分のシールを貼っていきます。台帳は、2枚複写式になっていますから、たとえば1ヵ月ごとに複写部分を切り離して団体に送り、団体は、各個人の記録を集計していきます。

これまでのボランティアは、1ヵ月に延べ何人が何時間活動したのか、その内容は?といった記録はあまりなされていなかったといってよいでしょう。そこで、まず、シールを貼ることによって、目に見える形で記録してみることにしました。次の段階では、団体が集計することによって、第三者に、その活動内容を訴えかけ、社会的な認識と支援とを呼びかけていくツールにしていくということです。

たとえば、シールが貼付された台帳をもとに企業等がその団体に対して寄付金を出すなど、何らかの評価をすることになれば、ボランタリー団体の運営経費となり、企業の社会貢献としてわかりやすい形をとることが可能かもしれません。地元商店街とタイアップすることもできるかもしれません。現時点ではすぐに双方にメリットがあるということではありませんが、そんなさまざまな可能性を見いだすのも、このパイロット事業の課題です。

ところで、内容などを書き込むのがめんどくさ〜い、なンて言いつつも、けっこう、みなさん、このシール貼りの作業にハマっているようですヨ。とりあえず、今年度中に、パイロットモデル事業の中間報告をまとめることになっています。さて、どんな結果が出てくることか、乞う、ご期待!(奈良 環)

 

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