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財務グループ

 

「成年後見制度」について、さあ、言おう! -財務活動の中から思うこと

 

ご寄付は大変ありがたいが

先月3月は確定申告など、税金の季節。節税策を考えながら、もっと年を取ってからは誰にやってもらおうか・・・などと心配しておられた方も多かったのでは?

税金に限らず、お年寄りの財産管理については少子高齢化が急ピッチで進む中で大きな問題となっています。

財務担当としてご寄付を頂戴するような場合にも、お年寄りからの場合にはとりわけ担当としてよくよく考えておかねばならない真剣な課題です。では、どうすればよいのでしょうか。

 

「年を取ってからの財産管理をどうする?」

「年を取ってからの財産管理をどうする?」。これは『さぁ、言おう』平成8年11月号と平成9年1月号に連載された「本音トーク-シルバー探検隊」の表題です。施設入居の方はもちろん、在宅の方まで含めてお年寄りの財産管理についてさまざまな角度から問題点を整理した特集で、読者のみなさまの大きな反響を呼びました。ところでその結論は、「一刻も早い成年後見制度の制定を望む」でした。そこで、「成年後見制度」のその後は?(「成年後見制度」の詳細については、掲載号をご覧ください。掲載号記事については、広報・企画グループまでお問い合わせください)。

 

新しい成年後見制度の方向は?

その後、法務省の民法改正要項試案が今春まとまり、来年(平成11年)には改正法案を国会へ提出する予定とのこと。ようやく現行民法の「禁治産制度」を軸とした硬直的な諸制度について見直しの機運が高まってきています。ただ、イギリスの例(本人の意思能力があるときに代理人を選定しておく)や、ドイツの例(世話人が本人の意思をふまえて介護や身辺の世話をする)なども参考に、「限りなく本人本位に、本人の可能なことはできるだけ自身でできるよう」配慮した内容となるように、私たちの身近な問題ととらえ、声を出していくことが大事な時期になっています。(丹 直秀)

 

グループホーム推進グループ

 

財団の推進する「ふれあい型グループホーム」(「結び縁型グループホーム」を改称)についてはみなさまからのご提言、ご相談いただき、ほんとうにありがとうございます。

現在、作業を進めております「ふれあい型グループホーム案内書」はみなさまからのご提言等をもとに、内容をより充実していく予定です。

いただいたご意見の中では、ご自身でグループホーム計画をお持ちの方からのものが多くみられますが、計画をご一緒に考えながら、計画を立てる上でのポイントを整理してみました。

計画で重要なことは、高齢者の地域の生活者としてのニーズにどのように応えていくのか、どういう手順で計画を具体化し立ち上げていくのか、開設した後、運営をどのようにすすめていくのか、などソフトの面であると思います。

もちろん、どんな立派なソフトもハードなしでは機能しません。

高齢者の住まい方を具現する建物構造の大切さは論を待ちません。ふれあい空間の確保、快適、安全、行動の自由、介助への配慮、緊急時の通報システムの整備など、ふれあいと自立支援のための構造、機能は不可欠な要件です。車の両輪のように両面を計画の柱としてすすめていく必要があります。

一方的にサービスを先行させた豪華な設備提供より高齢者がどんな住まい方を望んでいるのかを十分に把握し、生活者としての高齢者のニーズに合わせた新しい方向性を示すことが大切だと思います。

今後もみなさまからのご提言、ご相談をお待ちしております。(神谷 和夫)

 

 

 

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