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れるサービスの購入者になるというものである。我が国の介護保険の場合、イギリスのコミュニティー・ケアと異なり、自治体ではなく利用者がサービス事業者を選択することから、仕組みとしては政府が事業者を選定する民間委託よりもバウチャー制度(政府が特定サービス利用者にバウチャー=利用券=を付与し、利用者は複数のサービス事業者の中から自らの判断で事業者を選択する。バウチャーは公的部門で換金される)に近い。しかし、その施設整備に関しては、原則としては国と自治体の整備計画に基づいて行われることになり、公費負担分に応じて政府を施設の購入者と位置付けることが可能である。

PFIによってバリュー・フォー・マネーが改善されうる要素としては、1]政府は建設する施設の仕様に細かな注文を付けるのではなく、個々の具体的なサービス基準を示す、2]民間へリスクを移転させる、3]民間企業間の競争環境確保が重視される-といった実施体制による。1]に関しては民間のイノべーション(技術革新)を最大限にもたらす自由度を与え、2]については、民間に可能な限り自由に事業を行わせることと引き換えにその事業にかかわる

 

 

 

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