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なる。これは武蔵野市が提供するモデル的なサービスの内容が厚生省のサービスモデルよりも上回るためだ。

 

同じ県内の市町村でも保険料は大きく違う可能性も

全国市長会が昨年十一月に発表した「介護保険制度に関する調査結果」によると、保険料が二五〇〇円で介護保険を「運営できる」と答えた市は回答した五七五市のうちたった二市(〇・三%)しかなかった。「ある程度できると思う」を加えても六・六%で、三分の一は「できないと思う」、約六割の市は「現時点ではわからない」と答えていた。では、保険料がいくらならできるかというと、約六割は三〇〇〇円から四〇〇〇円未満。四割以上が四〇〇〇円以上と答えていた(グラフ参照)。

高知県は昨年七月、介護保険料の試算結果を発表した。それによると、同県の推計平均保険料は三七六〇円と「二五〇〇円」より一二〇〇円以上も高かった。その理由について高知県の谷澤叙彦介護保険推進課長は次のように説明する。

施設のベッド数が多いせいか利用者の施設入所希望が強いせいか一概に言えないが、高知県では高齢者の施設利用者が多い。施設介護は在宅介護に比べて介護費用がかさみ、その分住民が支払う保険料に跳ね返るからである。一人一ヶ月当たりの全国平均費用は居宅(在宅)介護の六万円から三五万円に対し、施設介護は三一万五〇〇〇円から四六万一〇〇〇円とかなり割高である(表参照)。

その後、明らかになった高知県の市町村別試算結果によると、保険料は最高の六一〇〇円の村から最低一九〇〇円の村まで大きく差が開いた。最高になった村の場合、後期高齢化率(六五歳以上の人口に占める七五歳以上の人口の割合)が推計五〇%と県の平均値四四%を大きく上回っている。また、介護サービスを受けるお年寄りの五八%が施設利用者であり県平均の四〇%を超えていた。著しい高齢化と施設利用者が多いことが相まって介護保険料の水準を押し上げていることがわかる。

逆に高知県で保険料が最低だった別の村の場合は三世代同居家族が多かった。在宅で家族介護を受け

 

 

 

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