この限りではありません。その一方で、団体の運営費は指定事業を行っていく上で捻出できていくことになりますから、これまでの謝礼金のあり方の見直しが必要です。少なくとも、事務費としてサービスが必要な人からいただいていた金額については、減額するなど、いずれ、見直していく必要があるでしょう。また、「ふれあい切符制度」を現金請求権のある形にしている場合には、預かり金処理をしてきたわけですが、現行の法律に抵触する方式を改め、時間とお金とを切り離して、謝礼金は団体に寄付をし、時間のみ登録する方式に切り換えていく必要もあります。
広がる「ふれあい切符」のネットワーク化と期待
この寄付金方式を早くから提唱してきたのが、「在宅福祉サービス時間預託連絡会」(通称福祉預託連、座長・一圓光彌関西大学教授)です。平成三年に関西での「ふれあい切符」の広域運用化を目的として、市民互助型団体、福祉公社、社協、生協などの運営主体がばらばらの団体が集まって研究を続け、平成六年には十六団体が協定を結び、将来的には、「基金協同管理機構」を構想しました。この基金協同管理機構は、協定を結んだ団体が、預託分をその機構に持ち寄り、一般市民の寄付も募りながら、預託の運用や研修だけではなく、広く福祉の増進に寄与していこうとするものです。こうした機構ができ上がれば、ネットワークによる保証がより強固なものとなっていきます。まだ、機構そのものはでき上がってはいませんが、福祉預託連では、今年に入ってから、協定化を関西だけに絞るのではなく、賛同する、あるいは参加したいと希望する全国の「ふれあい切符」を採用している市民互助型団体への呼びかけを始めたところです。
また一方、「ニッポン・アクティブライフ・クラブ」や、ネットワークの元祖としてフランチャイズ方式で展開し、現在三七センターを有する日本ケアシステム協会(会表・兼間道子さん)は、各センター間での預託の広域化を図っています。いずれは、こうした団体が相互に乗り入れていくことが、今後の課題となるでしょう。
善意や助け合いの心をボランティアという行為で表現