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と時間とを切り離して、時間だけを登録する方式、つまり、謝礼金は団体へ寄付をするという方式を検討してみることをお勧めします。というのは、これまで「ふれあい切符制度」を導入してきた団体の多くは、この制度がまだ歴史的に新しく、論理的にも制度的にも整備されていない段階でしたから、結局のところ、「現金」で保証するという方法を取ってきました。その結果、預託している側も、いつの間にか、本来あるべき預託の意味と本質を取り違えて、「ふれあい切符」に有価証券的な意味合いを持たせ、現金請求権を主張してきました。このことは、決して誤りというものではありませんが、こうした経験を踏まえて、最近では、この制度の導入時に「時と場所において可能な限り保証する」ことを前提として、現金は団体に寄付をし、参加する個人は時間だけを保有するといったところが増えてきています。その代表格が、平成三年にスタートし、今では年間四万時間のサービスを提供する在宅福祉サービス団体「泉北たすけあい」(代表・佐藤秀次さん)であり、現在全国に四四支部を持ち、将来的には一〇〇〇支部づくりを目標とする「ニッポン・アクティブライフ・クラブ」です。

 

ふれあいボランティアシール

「ふれあい切符制度」とは別に、さわやか福祉財団が、全国の5つの運用団体の協力を得てパイロットモデル事業として展開しているのが「ふれあいボランティアシール」です。これは、主に無償のボランティア活動分野を対象に、個人のボランティア活動を記録し、異なった分野のボランティア団体が同じシールを使用することによって連帯感を共有でき、そのことが結果として、社会的評価につながるような方向性を模索しつつ検討するものですが、あちこちから、使ってみたい、どんなもの?といった希望や問い合わせが寄せられています。

 

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