巻頭言 No.24
過疎地と介護保健
● さわやか福祉財団理事長 堀田 力
「いやさ、お久しぶりだねえ、ご隠居さま」
「おいおい、そんなとこで何を気取ってるんだ、八つぁん、さっさと入って、早く戸を閉めな、風がスウスウすらぁ」
「おや、戸を閉めたって風はスウスウしますぜ、この建てつけじゃあ」
「大きなお世話だ。で、どうだい、このごろ世の中は?」
「このごろもアンコロもねぇ、世の中、甘いもんじゃござんせん」
「てぇと、また、競馬ですったのかい?」
「情けない、そういうちっぽけな問題じゃねえ、天下の介護保険問題でさ」
「介護保険問題」そいつはたしかに大ごとだ。で、お前にとっちゃどこが問題なんだぇ?」
「過疎地でがすよ、過疎地。いくら『さぁ、言おう』で、全国の首長さん方に、しっかり介護保険実施のための準備をしなさいってハッパをかけても、やりようがねえって地域があるってことでさ」