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将来は在宅介護支援センターも一本化して援助内容のコーディネートなども広域で取り組む考えだ。しかし、利用者を掘り起こし、個々のお年寄りのニーズに応えていくには、むしろ地域と密着した行政単位で対応したほうがキメの細かいサービスが提供できるという見方もある。このあたりが広域介護の問題点でもあろう。

 

 

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入浴介助のあと、着替えの手伝い。

 

 

介護保険が始まると六五歳以上のお年寄りにも保険料の支払いが義務付けられるが、町村間の保険料格差の解消も保険財政を広域で取り組むときの課題である。高知県の試算によると、一人当たりの月額保険料は吾川村と仁淀村が三三〇〇円、池川町が七〇〇〇円となり、実に二倍以上の差が生じている。保険料は一人当たりのサービス単価が高い施設の利用率が高い市町村ほど高額になるため、西仁淀地域内の保険料格差をなくすためには、在宅介護と施設介護の利用のバランスを町村間で一定にしていくことも必要になってくるだろう。

介護保険業務の広域化は、要介護認定もサービス内容も保険料も広域内で同一にすることに意味があるが、そのことと地域のニーズに合った介護サービスがうまく噛み合うかどうかは別の問題。これが、広域化の最大の課題である。

 

 

 

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