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特集 公的介護保険制度を考える

 

 

わが国初の"広域連合サービス"高知の西仁淀介護公社を訪ねて

(取材・構成/阿部 まさ子)

 

高知県西仁淀(にしによど)地区は、高知県の北西部、四国山脈の山ふところに抱かれた愛媛県境に近い池川町、吾川(あがわ)村、仁淀村の三町村からなる。高知県と愛媛県をつなぐ国道33号線沿いの山間地で、県内で最も過疎と高齢化の進んだ地域である。

ここに全国で初めて、財団法人による広域介護公社が平成六年に作られた。西仁淀介護公社である。公的介護保険の導入を前に広域で介護に取り組もうとする動きが各地で出ているが、西仁淀介護公社はその試みの草分けといってよい。

 

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高知県・西仁淀地区。

 

広域介護のパイオニアを見ようと、現地を訪れた。高知駅から急行バスで一時間二〇分、西仁淀介護公社がある吾川村は、仁淀川の急峻な谷川に沿って走る国道で結ばれた三町村の真ん中に位置する。三町村の総面積は約三三三平方キロメートル、山林が九〇%を占め、地域の主幹産業はお茶の栽培である。集落は国道を幹にして枝葉のように散在し、幹線から入った生活道は細い山道である。

 

 

 

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