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利用者の声と周囲の支援に後押しされてボランティアグループを結成

『ふれあいネットまつど』は、そもそも地域で個人ボランティアを行ってきた七名ほどのメンバーが中心になって結成した福祉ボランティアグループ。メンバーの誰もが、家族や親戚に要介護者を抱えた経験から福祉への関心を持ち、主に、現在の事務所がある「ふれあいの家」に隣接する『栗ケ沢デイホーム』などで、長年ボランティア活動を続けてきた。そんな彼らを個人での活動からグループでの助け合い活動へと転換させたのは、介護者を抱えて心身ともにパンクしそうな家族からの、"お願いだから面倒を見て"という声に押されてのことだったという。

「みんな家庭もありますから、個人で援助しようと思っても限界がある。でも、実際に困っている人たちはいるわけですから、何とかしなければならない。そんなジレンマを抱えていた時に、栗ケ沢デイホームの運営母体である旭神経内科病院の院長が、"あなた方が在宅介護支援のボランディアグループを作るのなら、無償で事務所を提供してもいい"とおっしゃってくださいましてね。また、事務机や備品などもやはり無償で提供してくださる企業もあって。だからこのグルーブは、我々が作ろうと思って作ったというよりも、最初にニーズありきで、さらに周囲の支援に後押しされてできたようなものなんです」

設立に至る経緯をこう説明してくれたのは代表を務める鎌滝弘さん。

現役サラリーマンでもある鎌滝さんは、忙しい合間を縫って精力的に活動を行う、いわばこのグループの知恵袋。そして脇をしっかり固めるのが、冒頭の副代表の船見さんらの女性陣という、実にバランスのとれた所帯である。

 

 

 

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