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たことが当たり前になってきている今、今後は従業員個々はどうかということが問われてきます。我々のような小さい活動が会社のイメージアップにつながっていくのだと思います。

渥美 私たちの地元の一宮工場に勤める人は、外から来て工場の近所に家を建てる人が多いんですが、なかなか地元に溶け込めない。そのためにボランティアの場を用意することで、地域とコミュニケーションが生まれるというメリットがあると思います。

堀田 では最後にもうひとつ、それでよし、やろうと思った時、具体的に何からどう始めたらいいのか、アドバイスいただけますか?

森 始めたばかりの経験ですが、継続させることを前提に、最初は無理をせず五、六人の少人数でもできる内容を考えるということが大切だと思います。

渥美 やはり人集めですね。とにかく一度でもいいから気軽に参加してみないかと声をかけないと人はなかなか集まりません。自分のところに合ったやり方をあれこれ試してみるといいと思います。

飯泉 堀田理事長さんの本を読ませていただいて、その中に「人間はもともと助け合いの遺伝子を持っている」という言葉がありました。まさにそういう各人のやさしさを、そのまま素直に出せるようなきっかけづくりをしてあげる、動機付けをしてあげる、そのための方策を具体的に考えていくことが必要なんだと思います。

若林 メニューの選択肢は多いほうがいいんですね。少ないと、それで終わってしまいます。先日、YKKさんの水槽掃除にご一緒したんですが、車イスの方と散歩されているのを見てこれはできそうだなと。早速「押すボラ」として使わせていただきます(笑)。遊び心というか、そんなゆとりも担当者が持ってやるといいんじゃないですか。

堀田 地域での活動が社員教育、ひいては人間教育の場にもなる。それによって人材が育つし、個人の幸せにもつながり、それらがすべて本業に循環されて、そして地域にも還元される、と。そんなふうにぜひ活動がどんどん活発に根付かれることを祈っております。今日はありがとうございました。

(本稿構成協力/いしづか とおる)

 

 

 

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