活動から生まれるプラス効果とは?
堀田 ところで、こうした活動のプラス効果はいかがでしょう。関彰さんは新人社員研修のカリキュラムでもボランティア体験をやっておられますね。
飯泉 平成六年から始めています。毎回レポートを書かせて後で全員で話し合うんですが、多いのは「素直になれた」「やさしい顔になっている自分がいた」「ありがとうとお年寄りに感謝される喜びを感じた」といったものです。それと「自分が幸せになれた」というのが意外と多いんですよ。
堀田 それはいいですね。でも、研修の時に、何だそんなことやらされるのか、という反応はありませんか?
飯泉 不安感はあるようです。明日はボランティアだというと、お年寄りとうまく話ができるか、と。そして、一日過ごしてみる。その夜に涙ながらに話す社員もいます。社長の関が訓辞などでよく上杉鷹山の「誠は愛を生じ、愛は智を生ず。ただ誠なり」という言葉を述べるんですが、こうした活動を通じてこの言葉のような思いを肌で感じて自立心を高めていってほしい。そんな狙いにしっかりと反応があるのがうれしいなあと。