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森 はい。みなさん、熱心にやってくださいます。参加者を含め、網戸の良さを再認識する良い機会となっています。先ほど関彰さんが話をされていましたが、YKKでも、他人の利益を図らずして自らの繁栄はないと、創業社長が社の精神として「善の循環」ということを言っています。その精神はわれわれ労働組合が目指すボランティアにも通じるんです。それと先ほど若林さんのおっしゃった「テトラ基金」でアメリカンファミリーさんが『新川ヴィーラ』に熱帯魚と水槽を寄贈されたんですが、ご縁があってその水替えを私たちでさせていただいています。

堀田 ありがとうございます。では、渥美さんお願いできますか?

渥美 私どももさわやか福祉財団の方から、すすめられたのがきっかけだったんですが、うちはまったくゼロからのスタートで、それまで特に労組としてボランティアをやっていたわけではなかったんです。平成七年の秋に組合本部からさわやか福祉財団さんの紹介を受けて、一宮支部の事務所でご一緒に研究会を何回か開催しました。ちょうど労働組合の中でも、そろそろ外へ向かって出ていかなくてはならないと思っていた時期でもあったんです。ただ、あまり勢い込んでやっても続くものではないので、軽い気持ちで、途中で休みながら、少しでも長く続けていけるものをと。

堀田 そして始められたのが、地元の特別養護老人ホーム『あいふるの里』と連携された高齢者への配食ボランティアですね。

渥美 はい。まず幹部が特養の見学に行って現場を見て、それから全組合員に参加の意思を尋ねるDMを出しました。当初は一宮工場組合員の約一割、四〇名ほど集まればと思っていましたら、その倍の八○名ほども申し込みがあったんです。それから工場が休みの毎月第二土曜日に地域の一人暮らしの高齢者のみなさんの家に『あいふるの里』のお弁当を届けるお手伝いをしてきました。

堀田 一宮労組さんは、ボランティアを組合でやろうと決めてから、約半年というスピードで実際の活動に結び付いたすばらしい事例です。ただ残念ながら、今は先方の事情で一時、配食サービスの活動は中断しておられるとか。

渥美 はい。施設の給食担当者の方が変わられたりで、ここ半年ぐらいは活動を休止しているんですが、先方の体制が整い次第再開できるように待機中です。組合員もぜひ続けたいという声が多いので。

堀田 ぜひ早く施設さんに再開してもらえるといいですね。

 

 

 

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