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社ビルを建ててからです。ベッドタウンで、住みやすく緑の多い町に、いきなり一一〇〇人もの人間がやって来て、街の雰囲気もかなり変わったんです。以前はそれこそ路上のゴミも当然と見過ごしていたのが、調布に来たらゴミも車の渋滞も全部うちの社員のせいじゃないかとすら思えてきまして。地域に溶け込まないとマイナス面ばかり見えてしまう、そんな思いから二〇周年を記念して広報部に「社会公共活動推進課」をつくって活動をスタートさせました。

堀田 「社会公共活動推進課」というセクションまでつくるのがすばらしいですね。

若林 最初、上からは「社会貢献活動…」という名前が来たんです。でも社会に貢献する自信はないので、貢献は勘弁してくれと(笑)。公共活動ならできるだろうからと、この名前になりました。活動はひと言でいえば(軽(かる)ボラ)です。ちょっとだけやる人をできるだけ多くしよう。怒られるかもしれませんが、遊び心を持ってやろうと。

堀田 「軽ボラ」、いいネーミングですよ。活動のメニューもいろいろあるようですね。

若林 簡単な順に「集める」「出す」「する」となります。たとえば書き損じはがきなどを集めて換金して、熱帯魚と水槽を福祉施設に贈る「テトラ基金」、社員の毎月の給与から一〇〇円単位で寄付を行う「ワンハンドレッドクラブ」、そして「バレンタイン献血」など一〇種類くらいメニューがあって、九〇%の社員が何らかの形で参加しています。

 

 

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アメリカンファミリー生命保険会社

日本で初めてがん保険を発売するなど意欲的な事業展開を進める。多くの人が参加できるよう「軽いボランティア=軽ボラ」を提唱。他社がやっていないユニークな活動を目指し、マスコミにも取リ上げられるようネーミングにもこだわる。参加する人のレベルに応じて選択できるよう多彩なメニューを用意して活動を働きかける。

 

 

 

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