日本財団 図書館


NPO法人申請受付がやっと受理されました。県庁へ出向き、五回目にようやく提出にまでこぎつけるのにちょうど一カ月を要しました。定款は、大幅に変更し、収支予算書も大幅な修正が入りました。県の指導方針に沿わないと認めてもらえず、何回も訂正したのです。それも、同じ担当者なのに指導の中身が変わっていったり、またたとえば、財産目録や事業計画書、議事録とかが、三回目までは通過していたのに四回目になって指摘されるとか、回を重ねるたびに、変更を少しずつ小出しに指摘されたりして本当に困惑し、ほとほと疲れてしまいました。提出はしてしまったものの、これでいいのでしょうか?

(A県B市 市民互助型団体代表C)

 

NPO法はボランティア情動や市民活動の発展のために成立した法律

NPO法といわれても、まだ新しい法律だけにピンとこない読者もいると思うので、まずは、NPO法とはなんぞやということから話を進めたいと思う。

NPO法とは、そもそも阪神淡路大震災をきっかけとして、ボランティア活動や民間の非営利活動に対する関心が高まり、ボランティア活動や市民活動のより一層の発展のために社会的基盤を整備する必要があるということで、平成一〇年三月に議員立法として成立した法律のこと(次頁コラム参照)。

法案審議の過程では市民団体の声が反映され、いくつかの法案修正も行われた。介護保険法もそうだが、特定の業界や団体の圧力ではなく、一般市民や市民団体の声が法案づくりや法案の修正に反映されたのは、恐らく国会史上初めてのことと思われるが、こうした経緯も含めてNPO法の成立は、単に、ボランティア団体や市民互助型団体など、これまで法人格を持たずに活動してきた任意団体が、簡単に法人格を確保することができるようになったということにとどまらず、個人から発する活動を社会全体で支えようというシステムがわが国に生まれたことをも意味する画期的な出来事でもある。ただし、肝心の税制上の優遇措置については、施行後「三年以内に検討する」という附則が設けられるにとどまった。

ところで民間非営利の任意団体にとって、NPO法人になるメリットとは、一体、どこにあるのだろうか。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION