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元気なお年寄りをサポートすることが団体も必要ではないでしょうか

久保田さんが『はっぴいわん』を立ち上げたのは、「元気なうちからふれあって、技術や才能、ノウハウなどを出し合って生きがいを見つけ、困ったときには助け合う仲間作りをしたい」との思いを実現するためだという。

一〇年ほど前に、当時一人暮らしをしていた母親を亡くしたことをきっかけに、お年寄りの役に立ちたいとの思いを抱いた久保田さんは、長年、在宅介護支援団体でボランティアを務めてきたという経歴の持ち主。しかし、高齢者の置かれた現状を知れば知るほど、元気な高齢者をサポートする団体の必要性を痛感するようになっていったと、サロン開設の動機を語る。

「今まで、介護や助けを必要としている方たちのことばかりに目が行ってましたが、実際には、元気なお年寄りも大勢いる。そういう人たちが病気にも、ぼけにもならず、最後まで健康で幸せに生きていくためには、仲間や生きがいを見つける場所が必要なのではと思ったんです。それに、この辺りはまだまだ、"人様の世話にはなりたくない"という昔ながらの考え方の人も多く、私がボランティアをしていた団体でも、当初予想していたほど利用者数が伸びなかったという現実もありました。それで、元気なうちからふれあっておく場を作れば、助けることも助けられることも、もっと自然にできるはずだとも考えましてね。それらを考え合わせて出た結論が、サロンの開設だったんです」

また、公的介護保険の導入が決まったことも、サロン開設に踏み切るひとつのきっかけになったと久保田さん。

「今後、団体が進むべき方向性を考えた時、もちろん、NPO法人

 

 

 

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