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島の高齢者を訪問する中学生へ

村松 愛子さん 49歳 愛知県

毎日離島である佐久島に看護婦として船で通っております。佐久島中学校から「お年寄りの訪問をしたいが15分ほど生徒に話してくれないか」と依頼されましたが、すみませんSOS、何か生徒さん向けの資料ありませんか「大至急」。9月30日に学校で話す予定です。なにとぞよろしく。

 

こんな投稿が編集部に届いたのが昨年の9月。早速、関連の社会参加システム推進グループに依頼し、連絡を頼んだ。担当より電話で「時間が短いこともあり、また資料などなくても日頃看護婦として高齢者と接している際に感じられることをお話ししてみては」とアドバイス。その後、当日の内容など報告のお手紙が改めて届いた。その一部をご紹介しよう。

 

先日はスタッフの方にお電話いただきありがとうございました。本当に適切な助言をいただき、気の小さい私には大きな力を得た感じでした。おかげさまで何とか無事、中学生と共に学ぶチャンスを得られました。その後生徒さんは感想文を書いていたようです。学校の先生は「村松さん、すごく良かったヨ」とほめてくださいました。佐久島に少しずつやさしい心が育つといいなあと願っております。僭越(せんえつ)ながら話しました内容を書き送らせていただきます。

「みなさん、こんにちは。私は数年前よりみなさんがお年寄りを時折訪問していたことは知っています。佐久島には75歳以上の一人暮らしの方が現在37名ほどで、高齢者二人暮らしは40世帯ほど。

この佐久島は過疎と高齢化が進み(37.5%)、超高齢化社会を見る思いです。ただ、幸いにして佐久島のお年寄りは働き者、自給自足で自立している人がほとんど、またみな顔見知りなので家に閉じこもったり、世間との交流がなくなることは少ないように思います。ただ、島の過疎化など将来を考えたとき、お年寄りの気持ちとしては切ない寂しさがあるのではないでしょうか。

以前私の診療所から往診していた90歳くらいのおじいさんとおばあさんのところへ、佐久島小学校の児童が、草花や手作りの物を持って訪問して

 

 

 

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