くれたことがありました。その時お二人は『佐久の子供らがわざわざ来てくれた』と、とても喜んで感激して涙を流していました。私は思いました。"子供たちとふれあうことは、お年寄りの心をこんなにも明るくさせ、癒させてくれるのか"と。看護婦として身体のケア、お世話、看護、治療はできても、心のケアはみなさんにはとてもかなわないなあと。
お話を聞いたり、音の遊びを教えてもらったりする機会をつくり、どんどんお年寄りの知恵を活用し、もっともっと生きがいを持って島の中で生きていけるよう、みなさんの力で引き出していただきたいと思います。"お年寄りの笑顔に出会えて…、こんなことをあんなに喜んでくれて…、やって良かった"というさわやかな気持ちは、やってみて初めて味わえるのだと思います」 (一部抜粋)
佐久島は人口約380人と小さな島。小学生は15人、中学生は8人。その佐久島中学校では、97年から特別活動で高齢者訪問をはじめている。今回編集部から直接学校に聞いてみたところ、現在は準備段階で、各グループが訪問する高齢者の都合を聞きながら具体的に検討しているところだとか。
村松さんの話の際には、生徒たちから率直に活発な発言もあった。
「お年寄りとどう話したらいいのかわからない」
「なぜお年寄りを訪問しなければならないのか?」
「無理に押しかけて行ったら嫌な思いをした」
「以前小学校がやっていたように、身体の不自由な人だけ訪問する」。そして「時間が惜しい」「コミニユケーションができない」等。
また別の意見としては、
「去年はお年寄りが喜んでくれた」
「お年寄りから昔の話を聞いたり、戦争の話を聞けた」
「自分たちのグループは楽しめた」。そして「訪問したあと、道で会ったり、家に遊びに行ったり、親しくなれた」「自分が一人暮らしになったら寂しいのではないか…」等々。普段の学校の授業とはまた違った体験が子供たちの心に新たな芽を生み出させる。村松さんのように日ごろから地域社会で高齢者とふれあっている人との交流をぜひ各地の学校でも積極的に進めてもらいたいものだが、似たような事例は少しずつ広がっているようだ。併せて次の投稿をご紹介しよう。