らいの間)は、その年代における若年層が特異な負担をすることのないよう、税金による負担分を増やすのが妥当であろう。これは、医療保険についても同じである。なお、財源は、相続税(主として高齢者の資産から取るものだから)と消費税(高齢者も負担するものだから)がよいであろう。
職については、働く意思のある高齢者に働く場を提供してほしい。二重の意味で経済にもプラスになる。ただ、若者や中年の職を奪ってはいけない。だから、二つの配慮がほしい。
一つは、形の決まったフルタイムの仕事は若年・中年層に任せ、高齢者は、社内研修とかオン・ザ・ジョブトレーニングの指導、消費者に対する説明、苦情処理、フォローアップサービスなどのインフォーマルな仕事を担当させることである。これらは知識経験と時間とがある高齢者に向いた仕事であり、若年・中年層にさせると効率が悪い仕事であろう。
もう一つは、高齢者の同意を前提として、賃金(サラリー)を支払うのでなく、謝礼金(スタイペンド)を支払う仕組みをつくることである。勤務時間の拘束をゆるめ、インフォーマルな仕事を委託する代わり、最低賃金法の制約もはずす。それでも自分を生かして働きたいという、経済的には自立している高齢者が多い現状に適していると思う。
資産の流動化については、武蔵野方式が参考になる。自治体が仲介して、持ち家などを担保に生活費や介護費用相当額などを借りる仕組みである。最後は、その資産で清算する。これによって収入の少ない高齢者も尊厳ある生き方ができるであろう。相続人の意向は聴く必要がない。そういうしきたりをつくっていきたい。